ネット新連句「淀にゐて」(三)十二
ネット新連句「淀にゐて」(三)十二
スタート 平成二十三年十二月二十日
ゴール 平成二十三年 月 日
メンバー 吾人(B)・不遜(B)
(一)正調
一 淀にゐてわれは淀まず君をし待たむかな 岡井隆 雑
二 洟啜りつつ詩人吟ずる 不遜 雑
三 凶暴な気持に少しかたむいて 吾人 雑
四 おかまこおろぎにだまされるなよ 不遜 秋
五 月ふたつ代々木に昇る勘違い 吾人 秋月
六 国中で泣く歌女もまた鳴く 不遜 秋
(二)破調
一 亀連れて将軍様がやって来た 吾人 雑
二 江戸の大奥イスラム・ハーレム 不遜 雑恋
三 マツケンはなんせB型マハラジャ 吾人 雑恋
四 見果てぬ夢か雪降りしきる 不遜 冬
五 次郎を太郎を寝つかせ囲炉裏端 吾人 冬
六 草矢草笛日焼潮焼 不遜 夏
七 校庭に月の打水キリコの絵 吾人 夏月
八 サハラ砂漠で猫が死んでる 不遜 雑
九 笑わない家政婦のミタです何か 吾人 雑
十 HD85512b惑星発見 不遜 雑
十一 一斉に蜘蛛の巣の花てんこもり 吾人 春花
十二 見よ蜃気楼俳句滅亡 不遜 春
(三)乱調
一 豚饅頭定型非定型阿呆かいな 不遜 春
二 ミトコンドリアみると混どりあ 吾人 雑
三 NASAよりの富士山見事に皺だらけ 不遜 雑
四 地球空洞説を唱えたい 吾人 雑
五 原爆忌ソフトバンクの白戸軒 不遜 夏
六 義援金100億円は白玉に 吾人 夏
七 陸奥の貴女の故に心乱れる 不遜 雑恋
八 ほとほと叶わぬ小野小町針 吾人 雑恋
九 ケセラセラ身をいたずらにするなかれ 不遜 雑恋
十 迎え火焚かれ紳助生還 吾人 秋
十一 サイパンの玉砕の海月渡る 不遜 秋月
十二 竜淵に潜み帝都溺る 吾人 秋
http://www.asahi-net.or.jp/~un3k-mn/gyoku-saipan.htm
↓
前句の「玉砕の海/月渡る」を「玉砕の/海月(くらげ)渡る」と読んだら笑われるに違いない。秋とことわっているからである。吾人の好みとしては夏の季語だが(笑)。こないだ現代俳句協会のデータベースを覗いていたら「トンボ」が夏の季語になっていた。田舎では、「トンボを見るともう秋だ」と言っていた。だから、晩夏なら少しもおかしくはない。しかし季語として、どうしてもシックリしないものもある。広島の原爆と長崎の原爆が分断されて認識されることだ。盆もそうだ。新旧ある。いちいち新盆、旧盆とことわらなければ季節感を出せないものか? それほど大事らしい季語で、もっとも不可解なのは「竜淵に潜む」だ。有り難い方の書かれたものを読ませてもらい何とか解った気にはなったが、これほど詰まらない季語はない。「亀鳴く」なんてのもあるが、これは面白い。月とスッポン、いや、スッポンが月だ。なんてバカなことを思いながら、今年は辰年だし、いっちょう「竜淵に潜む」で詠んでみる。(吾人)
スタート 平成二十三年十二月二十日
ゴール 平成二十三年 月 日
メンバー 吾人(B)・不遜(B)
(一)正調
一 淀にゐてわれは淀まず君をし待たむかな 岡井隆 雑
二 洟啜りつつ詩人吟ずる 不遜 雑
三 凶暴な気持に少しかたむいて 吾人 雑
四 おかまこおろぎにだまされるなよ 不遜 秋
五 月ふたつ代々木に昇る勘違い 吾人 秋月
六 国中で泣く歌女もまた鳴く 不遜 秋
(二)破調
一 亀連れて将軍様がやって来た 吾人 雑
二 江戸の大奥イスラム・ハーレム 不遜 雑恋
三 マツケンはなんせB型マハラジャ 吾人 雑恋
四 見果てぬ夢か雪降りしきる 不遜 冬
五 次郎を太郎を寝つかせ囲炉裏端 吾人 冬
六 草矢草笛日焼潮焼 不遜 夏
七 校庭に月の打水キリコの絵 吾人 夏月
八 サハラ砂漠で猫が死んでる 不遜 雑
九 笑わない家政婦のミタです何か 吾人 雑
十 HD85512b惑星発見 不遜 雑
十一 一斉に蜘蛛の巣の花てんこもり 吾人 春花
十二 見よ蜃気楼俳句滅亡 不遜 春
(三)乱調
一 豚饅頭定型非定型阿呆かいな 不遜 春
二 ミトコンドリアみると混どりあ 吾人 雑
三 NASAよりの富士山見事に皺だらけ 不遜 雑
四 地球空洞説を唱えたい 吾人 雑
五 原爆忌ソフトバンクの白戸軒 不遜 夏
六 義援金100億円は白玉に 吾人 夏
七 陸奥の貴女の故に心乱れる 不遜 雑恋
八 ほとほと叶わぬ小野小町針 吾人 雑恋
九 ケセラセラ身をいたずらにするなかれ 不遜 雑恋
十 迎え火焚かれ紳助生還 吾人 秋
十一 サイパンの玉砕の海月渡る 不遜 秋月
十二 竜淵に潜み帝都溺る 吾人 秋
http://www.asahi-net.or.jp/~un3k-mn/gyoku-saipan.htm
↓
前句の「玉砕の海/月渡る」を「玉砕の/海月(くらげ)渡る」と読んだら笑われるに違いない。秋とことわっているからである。吾人の好みとしては夏の季語だが(笑)。こないだ現代俳句協会のデータベースを覗いていたら「トンボ」が夏の季語になっていた。田舎では、「トンボを見るともう秋だ」と言っていた。だから、晩夏なら少しもおかしくはない。しかし季語として、どうしてもシックリしないものもある。広島の原爆と長崎の原爆が分断されて認識されることだ。盆もそうだ。新旧ある。いちいち新盆、旧盆とことわらなければ季節感を出せないものか? それほど大事らしい季語で、もっとも不可解なのは「竜淵に潜む」だ。有り難い方の書かれたものを読ませてもらい何とか解った気にはなったが、これほど詰まらない季語はない。「亀鳴く」なんてのもあるが、これは面白い。月とスッポン、いや、スッポンが月だ。なんてバカなことを思いながら、今年は辰年だし、いっちょう「竜淵に潜む」で詠んでみる。(吾人)