俳句詩(終了)

俳句詩「被曝の子」

・ 「いい句は狙った的のもう一つ奥に思いがけなく命中している句だ」 これは高柳重信さん。 「風のうしろで小さな神とすれ違う」 は大西泰世さんの句。 ハッとし、ハタと気づくとき、 閃きは後頭部か背筋あたりにやって来ている。 気配の主はどうも背後に居…

俳句詩「シンシア」

http://skygalaxy2013.blog.fc2.com/blog-entry-1346.html 【シンシア】 ○ シンシアはモノクロでしか抱かれない ○ 冴ゆる月その裏側を見せぬ訳 ○ 空蝉はピアニッシモで四肢焦がす ○ 蚕蛾は午前零時に交尾する ○ 月面に骨工房ある と思います (全角空け)2016…

連作「古池や」

・ 【古池や】 ○ 表具屋が額縁褒める松の内 ○ 古池や石を投げろと詩人の母が ○ バカボンのハ行濁音花見酒 ○ おしのびで花見にプーチンやって来る ○ 遠花火監視カメラが首を振る ○ 手首出し万歳したら阿波踊り ○ 鰯雲幾何を教えぬ教師ゐて ○ こうさぎの爪先上…

俳句詩~「311」

これらの句群は、去年の夏号から今年の夏号までの一年間に、所属する結社誌に発表したものですが、これを読んで、下手だの散文句だの、なんて言わないで下さい。これはメッセージなんです。東日本地震以後、ボクはそれを延々とやっていただけなのです。同時…

俳句詩~「ユダの背」

最近こんなことも。叙情のための叙情、写生のための写生に酔うだけでなく、もともと詩は比喩の舞踏であるのだから、気が向けば告発も予言もやるのであるから、万事嘘をつき時世の顔色を窺いながら暗喩を十二分に駆使し逆説もやる。これも同時代人の義務かと…